出でよ自然治癒力│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#026

出でよ自然治癒力

2015-05-11 10:20:00

 最近フェイスラインのたるみが気になり、引き締めるためのエクササイズをしたところ、激しく首を痛め、鍼に行った西山です。鍼の治療費を支払うことを考えるとフェイシャルエステに行った方が良かったですね。しょんぼり。皺やたるみ、これは年齢を重ねるごとに深刻な悩みとなってきました。女子力云々というか、もうばばあの話だな。

 女性誌を読んでいると、基礎化粧品が日々めまぐるしく進化しているのがわかります。皺をとったり、くすみをとったり、白くしたり、上げたり、ふっくらさせたり。もう何が何だかわかりません。『とりあえずこれ全部つけたら吉瀬美智子になります』とか、わかりやすいセットを売ってくれれば良いのに!ちなみにですね、私は吉瀬さんと同じ事務所なので何度かお会いしたことがありますが、あまりの美しさにヤケ酒したくなるレベルです。あそこまで美しくなるのは不可能だけど、少しでも近づくために日夜お肌のケアには気を遣わねばなりません。この季節になると、まず大切なのはUVケアですね。日焼け止めは必須なのですが、それよりもまず紫外線をシャットアウトすることが大切。自転車に乗る時もベランダに洗濯物を干す時も、私は鉄仮面のようなサンバイザーをつけています。腕にはアームカバー、手袋も装着。ああ、一生懸命バイトしたお金で日焼けサロンに行っていた16歳の頃が懐かしい!しかも日焼けサロンに行ったにもかかわらず、憧れのギャルではなく「水泳部です!」的元気ハツラツ少女になってしまった私、残念。随分と無駄なことをしていたなあ。ちなみにその当時、センター街の日焼けサロンにはいつも東幹久がいるという噂があったのですが、誰も彼を見かけたことはありませんでした。本当にいつもいたら、それはもう店員だって話ですね。こうしてUVケアには気を遣っているつもりですが日夜のスキンケアはなるべくシンプルにしています。根っからの面倒くさがりやなもので、色々とつけなきゃいけないとなると、やらなくなる恐れがありますからね。まずは洗顔後、肌が濡れた状態のままジュリークのオイルをぬりぬり。このオイルは以前、テレ東アナウンサーの大橋未歩ちゃんからのプレゼントでいただき、とても良かったので使い続けています。添えられた未歩ちゃんからのカードには「私たちの敵は乾燥よ」と書かれていました。ビバ同じ歳!そしてオイルの後、化粧水を浴びるようにバッシャンバッシャン。顔からしたたるぐらい、いや、もう溺れるぐらいの量を使います。昔は無理して高い化粧水を使っていたのですが、そうするともったいなくてちまちま使ってしまうので、いきついたのは安定のヘチマ化粧水。そして最後に乳液でしめくくります。以上でスキンケア終了。この3つ以上は使いこなせない。一応、使いかけのアイクリームなんかも置いてあるのですが、買ったのが三年以上前だから、たぶん腐ってるんじゃないかなー。このシンプルなお手入れにいきつくまでは様々な紆余曲折がありました。

 もう10年以上前の話ですが、脂漏性皮膚炎にかかりステロイドが手放せないとう状態が一年近く続きました。この皮膚炎って原因があまりにも多岐にわたるので、これといった改善策がないのですよね。皮膚科の先生にアドバイスされたことを試しても、一向に治りませんでした。だからステロイドは良くないとわかっていても、塗るとその時は綺麗になるので塗ってしまう。塗るのをやめると悪化する。その繰り返しで、この時期は毎日肌のことばかり考えていてそれがさらにストレスになって、という悪循環。もう一生このままなのかしらと落ち込んでいた私を救ってくれたのが(なんだか青汁のCMみたいだな)、遠いアフリカの地、モロッコでした。モロッコには『ウルルン滞在記』という番組の撮影で行ったのですが、私がホームステイした家は、マラケシュから車で6時間ほどの内陸部。砂漠のように乾いた土地で、水は非常に貴重なものでした。そう、貴重なものなのでお風呂などもっての他なのであります。そもそも家にお風呂などなかったのですが、顔を洗うにしてもじゃぶじゃぶと水を使うわけにはいかないので、井戸の水で濡らす程度という具合。そんなことをしていたら、なんということでしょう(劇的ビフォーアフター風)一年も治らなかった脂漏性皮膚炎が1週間であっという間に完治してしまったのです。人間が持っている自然治癒力の偉大さに感動しました。それ以降、私はたまに肌を飢えさせるようにしています。カサカサの肌に「おい、化粧水が欲しいか?そうだろ、欲しいだろ。やらん!」と鬼軍曹のように話しかけて、肌本来の強さを引き出すのです。しかしこの方法、アラフォーになった最近ではめっきり効かなくなってきました。化粧水を与えずにカサカサのお肌はさらにカサカサに……。そりゃ自然治癒力だって低下しますよね。だから写真のような美顔ローラーが必要になってもくるのです。最近はこれをコロコロしながら『デスパレードな妻たち』を見るのが私の至福タイムであります。

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』などがある。

 
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