おエドでござる│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#098

おエドでござる

2018-05-14 01:12:00

 楽しいGWが過ぎ去り5月病真っ只中のみなさん、ごきげんよう。ちなみに私のGWといえば、ずっと働いておりました。朝から晩まで働いて働いて、働けど働けど我が生活楽にならざりぢっと手を見たら相変わらず短い生命線だなあもうすぐ死ぬのかなあ、とりあえず青汁飲んでおこう。といった感じでした。まあ4月は楽しいことがたくさんあったので、一生懸命働くのは致し方ありません。たくさんと言っても3つなんですけどね。それでも生命線の短い不幸な私にとっては十分な数です。

 そのうちの1つはエド・シーランのコンサートでした。本来ならば昨年10月に行われるはずだったのですが、エドさんが自転車で転んで骨折したために延期になっていました。コンサートが延期になったという経験は、1992年に開催された『スーパーダンサブルサミット』以来です。サミットというわりには出演アーティストが4組でG7よりも少ないという残念さ。もしかして私の記憶違いかなとググってみたのですが、これだけ膨大な情報がはびこるネットの中で1件もヒットしなくて驚きました。ちなみに出演者はソウルⅡソウル、マーキー・マーク、CC・ペニストン、そして我らが日本代表はLLブラザーズでした。当時はネットなどなかったので延期のお知らせは新聞で知りました。コンサート情報欄の端の方に小さく「アーティストの都合により延期」と書いてあったので、もしかしたら会場まで行っちゃった人もいたかもしれませんね。その後、無事に開催されましたが、今はなき東京ベイNKホールに閑古鳥が鳴いておりました。それとは違い、エドさんのチケットはヤフオクでも高騰しまくりで熾烈な争奪戦が繰り広げられていました。私も先行、一般ともに惨敗だったのですが運良く友人がゲットしてくれました。私の仕事上、コネを使えばきっとチケットは手に入るのだと思います。それをしないのは、中学生の頃にニューキッズオンザブロック(久々にきた!)のチケットを父親に頼んで叱られたことがあるからです。ソニーの重役(当時、ニューキッズはソニーと契約していました)を父親にもつ同級生が「ニューキッズのコンサート、パパが最前列とってくれたんだ!」と言っていたのが羨ましくて、私も何かしらコネがありそうな父に頼んだのですが、答えは「みんなが欲しいチケットをあなただけが特別にとれるなんて、そんなおかしな話はないだろ」というものでした。いかにも伊集院静ファンが喜びそうな話ですが、当時の私からしたら「マジつかえねー」でした。そんなことがあり、正規でとったチケットでエド・シーランを堪能。会場は日本武道館でした。これまで武道館で観たコンサートといえば、レニー・クラビッツ、オアシス、ジャネット・ジャクソン、斉藤和義、エレファント・カシマシ、及川光博、吉川晃司、広末涼子とまるで統一感のないラインナップ。共通することと言えば「好き」というだけであります。まあ結局のところ、それが大事、それが大事、それが大事だよ~♪なわけでありますが、エド・シーランに関していえば、昨年のマンチェスター滞在時にクラブで踊りまくった『Shape of you』が一番の目的でありました。もちろんそれ以外の曲も全てが素晴らしく、本当に夢のような時間でした。あの武道館のステージにひょいっとギター1本で現れて、たった一人で観客を熱狂させるエドの素晴らしさたるや!大所帯のマドンナのツアーと比べたらお金がかからなくてプロモーター的にも嬉しいのではないでしょうか。エドのラブソングは歌詞が本当に素敵で、女子力上がりまくりです。お目当ての『Shape of you』はアンコールの1発目。読売ジャイアンツのユニフォームに身を包んだエドは、まるで「ジャイアンツ史上最も使えなかった助っ人外国人」のようでした。帰宅後、興奮冷めやらぬまま姉にメールで報告すると「エド・シーラン?エドは、はるみしかわからない」と言うのでエド山口さんの存在も伝えつつ、エドの画像を送ると「この赤毛か!『スッキリ』で歌ってるの見たことあるや」とスーパースターのエド・シーランを赤毛よばわり。そして「飛行機に乗っていてもわからない」とのことでした。CAをやっている姉は、外国人アーティストや俳優にはとんと疎くて、先日も「ねえねえ、今日のサンフランシスコ便のエコノミーにララランドの男の人が乗ってたよ」と言うので「それ、絶対に違う人だと思うよ」と教えてあげました。本人いわく「エディ・マーフィーとジャッキー・チェンだったら絶対にわかる」そうです。写真は先ほど書きました『スーパーダンサブルサミット』の半券です。情報がネットにまったく出てこないので幻かと思いましたが、こうしてちゃんと手元に残っています。何か情報をご存知の方がいらっしゃいましたらご一報を。

image2

最近のコラム

西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website