酔いどれ不定期報告会│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#084

酔いどれ不定期報告会

2017-10-05 15:04:00

 もう10月になりましたね。あの楽しかったマンチェスターでの学生生活から半年か。あっという間のようにも、もっと昔のことのようにも感じるのは、頭が老化して時間の感覚を失っているからなのでしょうか。しかし、あれだけ「マユコ!ビューティフォー!オールウェイズ、ビューティフォー!」と言ってくれたフランス人青年オスカルからのメールもぱたり。マルコもニコラスもエリオットもクララも元気かなー。こちらから連絡しようとも思うのですが、ほぼゼロまで落ちた私の英語力で英文メールを書くのが億劫であります。とはいえ来年もどこか異国の地で学生生活を送ろうと画策中なので、きちんと勉強は続けないといけません。仕事はないけど、やりたいことはいっぱい。あと数ヵ月で40歳だっていうのにまったく落ち着く様子がありません。もうここまできたら仕方ないですね。ただ、このコラムを書いている以上、女子力強化は必須事項であります。女子力と言うとどうしても男子目線で考えがちですが、かつて『女子の女子による女子のための力』とエイブラハム・リンカーンが言ったように、力の源は女子にありなのです。ということで、先日大好きな人生の先輩たちにご教示いただくという会に参加。

 その会の名は『酔いどれ不定期報告会』。名前の通り、年に1、2回、ふと思いついた時に突然開催される会であります。メンバーは鈴木砂羽、吉瀬美智子、西山繭子という、最後の一人以外はすこぶる豪華な顔ぶれであります。以前この会を開催した時、砂羽にゃんがアップしたインスタがそのままネットの記事になっていたのですが、そこには飲み会のメンバーが鈴木砂羽、吉瀬美智子、伊集院静の娘って書いてありました。西山繭子、母のお腹の中にいる時に父は家を出て、これまで一度も一緒に暮らしたこともなく、父親の力を借りずに一生懸命生きてきたつもりですが、結局のところ私は「西山繭子」ではなく何をやっても「伊集院静の娘」なのです。ここまでくると、芸名をわかりやすく「伊集院静の娘」にするのも悪くないかなって思います。イパネマの娘みたいで素敵だよね。でもイパネマって人の名前じゃないからね。それにしても、いつも思うのですが芸能人のSNSをそのままネット記事にしてお給料がもらえる仕事があることに驚きます。今回は美味しいお米を食べられる和食屋さんに行きました。ぴかぴかと輝く炊きたての新米を霜降り和牛とトリュフで包んで食べるという、贅沢極まりない食事に舌鼓をうちながら、あーでもないこーでもないと近況報告。2人と話していて、いつも感服するのは彼女たちの有言実行の精神。言葉にするだけでなく、じゃあそうなるためにはどうしたら良いかということをきちんと考えて行動に移して、そして叶えてきたということ。売れっ子女優と、名前すら失っている女優(私のことね)の違いをひしひしと感じます。話題が私の最近の恋愛事情にうつると2人の先輩は声を揃えて「その男はない」と全否定。「いや、でもね」と私が何を言っても「ない」の一点張り。うすうすは感づいていたけど、やっぱりないのか。先輩の言うことにはきちんと耳を傾ける私であります。勉強になりまーす。で、今回も砂羽にゃん、みっちゃんともSNSに写真をアップしていたのですが(私はここに載せておきますね)案の定、翌日にはまたネット記事になっていました。しかし、私に関しては伊集院静の娘という名前すらなくなり、もう存在自体スルーでした。厳しい世の中であります。私も40歳を目前にして今後の身の振り方を考える日々ではありますが、次回の『酔いどれ不定期報告会』までには少しでも女子力をあげて、鈴木砂羽、吉瀬美智子という果てしなくイイ女に近づきたいのであります。

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website